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平成28年度Lectureship Award受賞者の決定

平成28年度の第18回Lectureship Awardに推薦された研究者について慎重に審査を行った結果、下記の研究者が出席委員全員の合意で承認された。また同日行われた役員会において受賞者候補として承認されたので、ここに報告する。

第18回Lectureship Award 受賞者

Otto Glatter 教授(University of Graz, Austria)

Zhongfan Liu(劉忠範)教授(北京大学、中華人民共和国)

選考理由

LA は、「当該分野で著しい活躍をされておられる、あるいは将来この分野での活躍が期待できる著名な研究者」に対する国際賞です。

Glatter 教授(1945 年生)は、コロイド化学の分野においても重要な手段であるX 線小角散乱法(SAXS)の草分けであり、解析手法の確立から装置開発まで手がけ、SAXS 技術の発展に寄与すると共に、それを汎用法とした業績は非常に高いものと評価されました。また、近年は、産業界への応用をめざし、トイレタリー、化粧品、医薬品分野への適応を進め、SAXS によるコロイド粒子内部のナノ構造解析などで著名な業績を挙げられ、それは200 報以上の国際誌に掲載されています。現在、同大学の化学科部門長を務めておられ、多くの国際会議で招待講演を行っておられます。

Liu 教授(1962 年生)は、中国でのナノ材料科学、特にその表面・界面・ナノテクノロジーに関する国家的リーダーです。日本への留学経験があり、横浜国立大学で修士を取得後、東京大学にて藤嶋昭先生の元で、アゾベンゼン系LB 膜を対象とした光のナノプローブでの電気化学の研究を展開され、博士の学位を取得されました。その後、北京大学に招へいされ、31 歳の若さで教授に昇進され、活躍されています。その業績は、420 報を越える世界の一流誌の論文として出版されており、特にNature とその姉妹誌に多く掲載されています。また、特許も多数取得されています。

Glatter 教授、Liu 教授の以上の業績は、世界的に高く評価できるもので、LA 受賞者候補者として満場一致で選出されました。

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